佐々木合気道研究所 所長筆記

佐々木合気道研究所は合気道の研究成果の発表と著書の紹介を行っている個人の団体です(https://sasaki-aiki.com)。

特別展「縄文2021 ―東京に生きた縄文人―」Special exhibition "Jomon 2021-Jomon people who lived in Tokyo-"

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2021.11.16

久しぶりに博物館を訪れた。両国の国技館の裏にある江戸東京博物館である。ここで「東京に生きた縄文人」展が開催されている。縄文時代は16,000年前から始まり、約10,000年続いたと云われるが、分からないことだらけであるので、興味津々である。

展示会場は、次の四つのテーマで構成されて展示されていた。1.東京の縄文遺跡発掘史 2.縄文時代の東京を考える 3.縄文人の暮らし 4.考古学の未来。

多くの道具、土器、装身具などを見たが、特に面白かったのが「江戸東京の暮らしを再、現した復元模型」であった。縄文時代のムラの様子が再現され、老若男女20人余が、食べる、狩る、遊ぶ、家族団らん、葬祭などを再現した復元模型(写真)が展示されていた。また、この模型は絵にもなって展示されていた。恐らく、はじめに絵を描いて、それを模型にしたのだろう。勿論、この絵は資料に忠実なものであるはずである。

不思議な事に、この絵(写真の壁にある)を見ていた時、突然、縄文人に親しみを覚えたのである。縄文人と無意識でつながったようなのである。彼ら、特に子供の生きるエネルギーや喜び等を感じたのである。自分がそこに居るような気にもなるのである。

帰り道、これはどういうことなのかを考えてみた。この縄文人との繋がりの感覚は不思議なことでないようである。まず、縄文人と我々現代人はDNA遺伝子でつながっていることである。これは事実である。16,000年前といっても、100歳まで生きた人が160人つながれば、縄文時代と現代はつながるわけである。つまり、お爺さん、お婆さん160世代で繋がっているのである。縄文人の絵を見たことによって、内部に潜んでいたDNAが目覚め、そして縄文人に繋がったのではないかと思った。

何故、そう思ったかというと、同じような事を合気道開祖植芝盛平大先生が体験されておられたと聞いたことがあるからである。うる覚えでしかないが、大先生は、或る時、薙刀花柳界の女性たちに教えて欲しいと頼まれたという。再三断わられたがどうしても断り切れず、何とかしようということになり、弟子に、弁慶と牛若丸の絵本を買わせたという。それをご覧になり、その絵本を枕元においてお休みになった、これでよしとなり、立派に教えられたというのである。想像するに、弁慶の薙刀の絵をご覧になったことで、弁慶の薙刀とつながったのだと考えるのである。

大先生にとって、12世紀頃の弁慶と繋がるのはそう難しくないはずである。高々八百数十年である。大先生は138億年前に出來て運化している宇宙と一体化してつながっているのである。

今回の特別展「縄文2021 ―東京に生きた縄文人―」も勉強になった。

 

Special exhibition "Jomon 2021-Jomon people who lived in Tokyo-"

I visited the museum for the first time in a long time.The Edo-Tokyo Museum behind the Kokugikan in Ryogoku. The "Jomon people who lived in Tokyo" exhibition is being held here.It is said that the Jomon period started 16,000 years ago and lasted about 10,000 years, but it is curious because there are so many things I don't understand.The exhibition hall was composed of the following four themes. 1. History of excavation of Jomon archaeological sites in Tokyo 2. Thinking about Tokyo in the Jomon period 3. Life of Jomon people 4. The future of archeology.I saw many tools, earthenware, and accessories, but the one that was particularly interesting was the "restoration model that recreated the life of Edo-Tokyo." Because I felt like I was connected to the Jomon people.

八王子を散策 Stroll around Hachioji

2021.7.19

コロナウィルス感染を抑制するために、出来るだけ外に出ないようにしていたが、梅雨も明けたし、ワクチン接種も一回済ましていることもあって、ちょっと出かけることにした。出掛ける場所は、家からそれほど遠くなく、交通の便もいい八王子である。一回の乗り換えで、40,50分で行ける。数日前にテレビで八王子が紹介され、一度行ってみたいと思ったいたところであった。

もう一つ、以前からやりたい事があった。それは住んでいる東村山市からの路線バスに乗る事である。そこで、八王子に 行く

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ために、今回初めて路線バスに乗ることにした。残念ながら八王子まではいかないので、途中の立川駅まで行き、そこからJRで八王子に行った。

八王子で駅を中心に歩き回った。月曜日で多くの店が休んでいたせいか、いい物があれば買おうと思っていた和服の店、草履などの和風の履物店を見つけられなかった。35度Cと暑かったので1時間半ほどで一休みすることにした。折角来たので、八王子らしいお店が無いか探すと、八王子珈琲店の看板を見つけたので、入って一休みした。

コーヒーを飲みながら、八王子の町の印象をまとめてみた。これまで行ったことがあるような、なにか懐かしい感じがするのである。それは毎年数回行っていたドイツのハノーバーの駅前に似ているのである。道が放射状にはしり、その道沿いに店があるのである(写真)。ここ数年、ハノーバーに行っていないので懐かしく思ったのかも知れない。

帰りは、八王子駅から電車で国分寺乗り換え、熱中症にもならず無事帰ってきた。電車は便利だが、バスに比べると味がない。久しぶりのバスも楽しかった。

Stroll around Hachioji

In order to control the coronavirus infection, I tried not to go out as much as possible, but I decided to go out for a while because the rainy season was over and the vaccination had been completed once. The place to go is Hachioji City, which is not far from my house and has good transportation. I can get there in 40 or 50 minutes with a single transfer.

There was one more thing I wanted to do from before. That is to take a fixed-route bus from Higashimurayama City, where I live. Therefore, I decided to take a fixed-route bus for the first time to go to Hachioji. Unfortunately, this bus does not go to Hachioji, so I went to Tachikawa station on the way, and from there I went to Hachioji by JR.

I walked around the station in Hachioji. It was hot at 35 degrees Celsius, so I decided to take a rest in about an hour and a half.

While drinking coffee, I summarized the impression of the town of Hachioji. It feels like I've been there before. It resembles the station front of Hanover, Germany, which I used to go to several times each year.The road is radial and there are shops along the road (photo).I may have missed it because I didn't go to Hanover in 2,3 years.On the way back, I changed to Kokubunji by train from Hachioji Station and returned safely without suffering from heat stroke.

The train is convenient, but it tastes less than the bus. I also enjoyed the bus after a long absence.

緊急事態宣下の運動不足解消 Resolving lack of exercise under the emergency of coronavirus

2021.5.3

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コロナウィルス感染拡大による緊急事態宣言で道場も閉鎖され、これまでの生活のリズムが狂ってしまった。特に、これまで週三日の道場稽古が出来なくなり、運動不足が問題である。この運動不足を如何に解消するかを考えると、その主なものは足を使わない事であるから歩くことにした。そこでいつも使っている西武新宿線沿線にある公園や神社仏閣などを一日一か所訪ねることにした。

今日は、東伏見駅から歩いて10分ほどのところにある東伏見稲荷神社に行って来た(写真)。この東伏見稲荷神社は京都の伏見稲荷大社の分霊を勧請して創建されたとある。朱色の社殿が境内の緑に映えて美しく、中々立派である。社殿の裏側には18か所の末社があり、そのエリアも朱色の鳥居が迷路のように張り巡らされていた。

緊急事態宣言が出されて、これまで訪れたところは、武蔵関の武蔵関公園、東村山の東村山中央公園、東村山の八国山、東村山の空堀川である。田舎なのでそれほど訪問客は多くなく、感染の可能性は少ないだろう。緊急事態宣言が長引けば、西武新宿線沿線の名所、要所を相当訪れることになるだろう。

Resolving lack of exercise under the emergency of coronavirus

The dojo was closed due to a state of emergency due to the spread of coronavirus infection, and the rhythm of life up to now was upset. In particular, it has become impossible to practice at the dojo three days a week, and lack of exercise is a problem. Considering how to solve this lack of exercise, I decided to walk because the main thing is not to use my legs. Therefore, I decided to visit the parks and shrines and temples along the Seibu Shinjuku Line, which I always use, once a day. Today, I went to Higashifushimi Inari Shrine, which is about a 10-minute walk from Higashifushimi Station (photo).

After the state of emergency was declared, the places I visited so far were Musashiseki Park in Musashiseki, Higashimurayama Central Park in Higashimurayama, Hachikuniyama in Higashimurayama, and Karabori River in Higashimurayama.

Since it is a countryside, there are not so many visitors and the possibility of infection is low.

篠田桃紅展に行く Visited the Toko Shinoda exhibition

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2021.4.19

篠田桃紅展を見に横浜そごう美術館に行って来た。篠田桃紅は今年の3月に107歳で亡くなられた美術家で、最晩年まで活躍されて素晴らしい作品を描かれておられた。彼女のことはNHKテレビで知り、そこで紹介された作品の素晴らしさだけでなく、100歳以上でも現役で活躍されていた事、その彼女の発する言葉や考えに興味をもち、インターネットで調べたり、本を買った。特に興味を持ったことは、「歳を取って、だんだんと腕力で引く線の力は薄らいで、線に込める心の部分がでてきている。」という彼女の言葉であった。

篠田桃紅展が開催されているということを知ったので、その彼女の言葉を作品で見てみたいと思い行ったのである。

作品の展示は、第一章 文字をこえて(渡米以前)-1955、第二章 1956-60、第三章 1970-80、第四章 1990年代以降と年代順に展示してあったので、若い頃の作品と晩年の作品を比較するのは容易であった。

確かに若い頃の彼女の作品は力強く、線も濃く輪郭もしっかりと描かれている。そして晩年の第四章にある作品は確かに、線は薄く、一見するとぼやけた輪郭の線であるが、よく観ると線は気で満ち、鋭い刃物のようである。これが彼女が言う、「引く線の力は薄らいで、線に込める心の部分が出てきている」ということだと確認できた。(写真は2012年の作品)

今回は、年を取ったら腕力が弱くなる分、心でやればいいということが確認できた事と、彼女のその心で描いた線が観えたことが嬉しかった。彼女の心の線は、合気道で云う気に満ちた線ということになり、その気を感じたという事になる。気を感じたということは、己自身も気を発していたことになり、その双方の気が合したということになるわけである。その為に、今回は作品の前で気を出すようにしていた。十字の息づかいから気を創出したのである。布斗麻邇御霊の伊予の二名島の気である。

 

Visited the Toko Shinoda exhibition

I went to the Yokohama Sogo Museum of Art to see the Toko Shinoda exhibition.Toko Shinoda is an artist who died in March of this year at the age of 107, and was active until her last years, drawing her wonderful works.

I got to know her on NHK TV, and I was interested not only in the wonderfulness of the work introduced there, but also in the fact that she was active even over 100 years old, and the words and thoughts she uttered.

What I was particularly interested in was her words, "As I get older, the power of the lines I draw with my strength is getting weaker, and the part of my heart that I can put into the lines is coming out."

Knowing that the Toko Shinoda exhibition was being held, I wanted to see her words in her work.

今日、傘寿を迎えた Today i am 80 years old

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2021.4.5

願っていた80歳を迎える事が出来た。喜びと感謝でいっぱいである。

何故、傘寿の80歳にこだわったかというと、80歳から一人前になりたいと考えたからである。つまり、それまでの鼻ったれ小僧を卒業したいと決めたからである。日常の人生においても、そして合気道の修業においても、鼻ったれ小僧から一人前の大人になりたいのである。

今日、傘寿を迎えた。いつもの通り、朝の禊をし、そして『合気神髄』一章を読んだ。今日は月曜日なので、道場稽古はないが、今後もこの禊ぎを続け、聖典『合気神髄』『武産合気』を読み、そして道場稽古の三本柱での修行を続けて行くつもりである。

今日読んだ『合気神髄』には、「合気道の極意は、己の邪気をはらい、己れを宇宙の動きと調和させ、己を宇宙そのものと一致させることにある。」とあった。以前はこの意味する教えは、チンプンカンプンであったが、今はよくわかる。鼻ったれ小僧から一人前に変わってきたと思える。後は、これを体と技で表すことが出来るようになる事である。これからの課題である。

80歳の次の目標は、今書いている合気道の論文を1000回まで書き続けることである。毎週一回ずつ(4編)を書いているが、今は780回ほどであるので、残り220回程となる。一年間は50週あるので、4年ちょっと掛かることになる。

何故1000回かというと、別段の理由はないが、強いて言えば、一つは、1000で区切りがいいこと、二つ目は、1000回(4000編)書けば、合気道の事も、自分の事も、宇宙の事もある程度わかるようになり、論文も自分もある程度まとまってくれるのではないかと期待していることである。

 

Today i am 80 years old

I was able to reach the age of 80 I was hoping for. It's full of joy and gratitude.

The reason why I was particular about 80 years old is that I wanted to become a full-fledged person from 80 years old. In other words, I decided that I wanted to graduate from the old kid with a nose. In my daily life and in my training in Aikido, I want to become a full-fledged adult from a nose-sucking kid.

The next goal of the 80-year-old is to continue writing the Aikido treatise I am writing up to 1000 times.I write once a week (4 volumes), but now it's about 780 times, so there are about 220 times left.There are 50 weeks in a year, so it will take a little over four years.

If I write 1000 times (4000 editions), I will be able to understand Aikido, myself, and the universe to some extent, and I hope that my dissertation and myself will be organized to some extent.

久しぶりの遠出

2010.12.17

久しぶりに東京を離れた。鎌倉である。目的は姪の個展(写真)に招待されたからである。姪は毎年、個展を開いていて、招待状を送ってくる。大体は東京の銀座で開催するが、今回は鎌倉と一寸遠方である。

コロナのためか入場した時は、お客は私一人だったので、のんびりと絵の話やいろいろな話を一年分した。20点ほどの絵が展示されていたが、その半数は新作という事であった。印象的だったのは絵が明るくなったことだが、コロナで世の中暗くなりがちなので、明るい絵を展示したとのことであった。明るく、エネルギッシュで元気を貰える個展であった。

個展を見てから、会場の近くにある鶴岡八幡宮をお参りした。多分これが今年最後のお参りであり、初詣になるのだろう。

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久しぶりの山歩き

2020.8.10

久しぶりに山歩きをした。最後に歩いたのは1年ほど前の高尾山であった。それ以来、山歩きはご無沙汰である。最近、コロナウィルスの影響もあり、稽古不足であるが、足腰が大分弱っている感じがして、足腰がどれほど弱くなっているか、山歩きで確認することにしたわけである。

家の近所には、山歩きができる奥多摩秩父の山々があるので、自分の条件にあった山を選ぶことができる。今回は「日和田山」を選んだ。選んだ理由は、この山は、車やバスをつかわずに、鉄道の駅から歩いて登りはじめ、次の駅に歩いて下りて来れること、総歩行時間4-5時間、標高差約300メート等と初心者向けであることである。

西武池袋線武蔵横手駅で下車し、8時ごろから登山を開始した。水の流れに沿って、水や小鳥や蝉の声を聞きながら、林や森を抜けて「日和田山」を目指した。久しぶりに自然を満喫する。

「日和田山」に近づいた頃に、足腰に疲れを感じるようになった。以前と比べると足腰は大分弱っていることがわかる。

「日和田山」の頂上(写真)

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で休憩して下山。しかし、途中で左の登山靴の靴底が剥脱してしまった。幸いにも靴底が無くても歩けるので歩いた。靴底がない分約2cmの差があるので歩き難かったが上手く、予定通り駅に辿りついた。この登山靴も1年前に履いたままで手入れや点検をしなかったので、靴底が剥脱したのも仕方がない。この次の山歩きの為に新しい登山靴を買うことにする。

山歩きはいい。足腰にも気分もいい。また、近い内に近所の別な山を歩いてみたいと思っている。