佐々木合気道研究所 所長筆記

佐々木合気道研究所は合気道の研究成果の発表と著書の紹介を行っている個人の団体です(https://sasaki-aiki.com)。

栄久庵憲司とGKの展覧会「鳳が翔く」を観賞 Industry Deseigner Ke

sasaki-aiki2013-08-01

2013.8.1
今日から8月である。気温が高く湿度も高い日が、まだ続きそうである。
テレビで栄久庵憲司氏の展覧会があるのを知って、会場である世田谷美術館(写真)に見に行った。栄久庵氏は世界的に有名なインダストリーデザイナーであり、オートバイ、乗用車、建設機械、電車、飛行機、家電、食器、食品パッケージ、博覧会場の施設やサイン類、都市のインフラストラクチャー、仏像、仏壇など等、多種多様な分野でデザインをされている。
栄久庵氏の名前を知ったのは15年ほど前である。かつて世界最大のインダストリー見本市「ハノーバー・メッセ」で日本代表として仕事をしていたが、1953年から毎年、併催となった工業デザイン賞「iF賞」の審査委員をされていたのである。直接お会いする機会はなかったが、その頃からどんな方か興味をもっていた。
今回は、100点ほどの展示品をじっくり拝見した。工業デザインではあるが、美しいだけでなく、人間的な丸みがあり、一過性ではなくずっと一緒にいられそうなデザインである、という感じがした。
展示会場を出ると、栄久庵氏のインタービュー・ビデオが流れていたので何気なく見た。すると、なぜそのようなデザインが生まれたのかが分ってきた。
栄久庵氏はデザインを「道具」と話していた。そして、道具は道を具えたものだから、道につながっていなければならないし、心がなければならないというのである。
現代は便利になったが、「用」の世界となり、デザインも便利であることが要求され、経済的、合理的など用に偏っている、といえよう。
だが、彼のデザインは、道につながった、心に訴えるような道具の絶対性を求めている、ということになる。
合気道的に解釈してみると、デザインであるからには、美しくなければならないだろう。これは、合気道における真善美の追究であり、その美には真と善が伴うので、つまり、至真・至善・至美の追求ということになる。
次に、用に偏らないということであるが、合気道の場合だと、用は相手を投げたり抑えたりすることになるだろう。しかし、合気道は用を目指すのではない。心、すなわち人を超えた絶対的な心、宇宙を創造し、宇宙天国建設を目指す大神の意志に結んだ心を求めるものである、ということになるだろう。大神様も喜んで下さるような道具をつくる、ということである。
合気道だけでなく、デザインも、求めるモノの究極はみな同じであるようだ。今日は非常に勉強になった。

Industry Deseigner Kenji Ekuan
Kenji Ekuan ist heute der sehr bekannte japanische Industry Deseigner in vielseitigen Gebieten. Er gehoerte einst den Jury member von iF preis der Hannover Messe, wo ich damals gearbeitet hatte.
In der Setagaya Museum in Tokyo hat er ca. 100 Modelle unter seiner Entwurf aufgestellt. Er antwortete im Film dort, das es beim Entwurf nicht nur an praktischen Seiten sondern auch an Weg, naehmlich Herzen, wichtig war. Das ist fast gleich Gedanken wie beim Aikido, dachte ich.