佐々木合気道研究所 所長筆記

佐々木合気道研究所は合気道の研究成果の発表と著書の紹介を行っている個人の団体です(https://sasaki-aiki.com)。

「生誕110年片岡球子展」 Die Ausstellung der Kunstmalerin Tam

sasaki-aiki2015-04-23

2015.4.21
竹橋にある東京国立近代美術館で「生誕110年片岡球子展」を観てきた。
片岡球子は100才画家であるとともに、赤や青など鮮やかな色彩とでフォルムの絵で、一度観れば強烈な印象がこびりつき、忘れることができない絵描きであり、以前からもう少しよく知りたいと思っていたところであった。
また、人は100才ぐらいで己の仕事の集大成ができるものと考えているので、100才まで仕事をした人には興味があって、尊敬もしているので、観に行ったのである。

「生誕110年片岡球子展」には約60点の作品が展示されていたが、それを4つのグループに分類して展示してあり、非常に観やすく分かりやすい構成だった。
第一のグループは、「枇杷」「炬燵」などおだやかな色彩、おとなしい筆線の典型的な日本画である。だが、彼女の対象を観察し、対象に深く入り込む姿勢がよく表われていると思った。
第二のグループは、人と風景である。大胆なデフォルム、鮮やかな色彩、それに日本画とは思えないような、絵の具を盛り上げた線で描かれたもので、火山、富士山、海などがテーマになっている。私にとっての片岡球子はこの中の富士の風景「富士山に献花」「山(富士山)」(写真)にあったようだ。
また、人物で印象に残ったのは「雄渾(祈祷の僧)」であった。彼女はこの僧にモデルになってもらうために、寒い時期であったのに21日間の水業をやり遂げたのである。この絵には、その執念と、それをやり遂げた彼女への僧の温かいまなざしが描かれているように思えた。
第三のグループは、彼女が61才(1966年)から99才までのライフワークとする「面構(つらがまえ)シリーズ」である。歴史人物、歌舞伎役者、能役者などであったが、最もすばらしいと思ったのは、それぞれの特徴を表わしている「足利尊氏」「足利義光」「足利義政」であった。
第四のグループは、球子が78才で取り組み始めたテーマである裸婦シリーズである。ほかの画家が描く裸婦とは違った特徴はあるが、これまでの作品のような鮮やかな色彩や大胆な造形は見られない。年を取るというのはこういうことか、と感じさせられるような絵であった。
球子は103才で亡くなったが、100才を越えても愛知県立芸術大学客員教授として学生を指導していたというから、生涯現役の人生を送ったことになる。

Die Ausstellung der Kunstmalerin Tamako Kataoka
Tamako Kataoka ist eine bekannte Malerin der japanischen Malerei. Sie lebte bis 103 jahre alt, und malte viele kraeftigen Bildern mit starken Eindruck von starken Farben und Formen.