佐々木合気道研究所 所長筆記

佐々木合気道研究所は合気道の研究成果の発表と著書の紹介を行っている個人の団体です(https://sasaki-aiki.com)。

奥村土牛展 Togyu Okumura - Exhibition

2019.2.7

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奥村土牛展を見に、広尾にある山種美術館に行って来た。土牛は長寿の画家として知られる日本画家で、101才まで生きたが、100才を超えても制作を続けていた。今回は山種美術館が所有する土牛のコレクション135点の内60点が展示された。

日本画の展覧会ということでもないが、和装で出かけたお陰で入場料が割引になったのにはびっくりしたし、嬉しかった。この美術館が和装普及に貢献しようとしている事が日本人として嬉しかったのである。

音声ガイドを借りて、その解説を聞きながら見させてもらったが、実に素晴らしい絵であった。

まず、絵に嫌味がないことである。誇るところも、見せようとするところもなく、謙虚であるが、描いたものが画面を超えて広がり、こちらにも迫ってくる感じを受けるのである。これは後で分かったことであるが、土牛の人柄から来るもののようだ。次に、見えるモノより、見えないモノ、例えば、輪郭線や姿形が消えていき、川や海や滝の音や鳥のさえずり、心の動き等‥が主体となってくるのである。また、土牛の絵は、合気道で云う、宇宙との一体化があるようだということである。宇宙の心が絵に現れているように思えることである。これは後で調べて分かった事であるが、“土牛は折りにふれて大観から絵画論・芸術論の洗礼を受けるが、あるとき、大観からこういわれ深い感銘を受ける。いわく、「君、絵というものは、山水を描いても、花鳥を描いても、宇宙が描けなかったら、芸術とは言えないよ。鳥を描くなら鳥の声も聞こえなくてはならぬ。それが宇宙の生気というものではないか」”とあり、この教えに従って描いたためであろう。

今回の展覧会で、少し絵の見方が分かったようで嬉しい。それは絵を目だけで見るのではなく、心で観るということである。顕界から幽界に入り、顕界と幽界の境界線(多分、後では幽界)で見るのである。そうすると絵の心、作者の心、宇宙の心が観えてきて面白いのである。

それではどうして心で絵を見る事が出きるようになったかというと、合気道の教え、天の浮橋に立って観るのである。阿吽の呼吸で天の浮橋に立って絵と対話するのである。

次の絵の展覧会が楽しみである。 

Togyu Okumura - Exhibition

I went to the Yamatane Museum in Hiroo to see the Okumura Togyu - Exhibition. Togyu is a Japanese painter known as a longevity painter, living to 101 years old, but he continued his work even if he was over 100 years old. This time 60 items of 135 Togyu- collections owned by Yamatane-Museum were exhibited.