佐々木合気道研究所 所長筆記

佐々木合気道研究所は合気道の研究成果の発表と著書の紹介を行っている個人の団体です(https://sasaki-aiki.com)。

「篠田桃紅展」 Toko Shinoda Exhibition

2022.5.17

今日、「篠田桃紅展」に行って来た。会場は新宿から近い初台にある東京オペラシティアートギャラリーである。

篠田桃紅の展示会は以前にも何回か見ている。筆を使っての線や形が人間技とは思えないほど素晴らしいのである。意識しては決して描けないはずなので、無意識の幽界で描いたものと見ている。見える世界から見えない世界、魄から魂へと入る合気道と一緒であると思うのである。

今回の「篠田桃紅展」では、桃紅の長きにわたる活動の全貌が紹介され、初期から晩年に至る約130点の作品と資料が展示されていた。

展示会の絵をどのように見ればいいのかこれまで分からなかったが、今回の展示会で絵を見ている内に、合気道的に見ればいいのではないかと思ったのである。相手と一体化するイクムスビの息づかい・気づかいで見るのである。イーと息・気をちょっと吐き、まず、己と絵とを結ぶ。次に、クーと息・気を引いて己と絵と一体化。ムーで絵に入り込むのである。このイクムスビの息づかい・気づかいで100点ほど見た。更に、この終わりの方に気づいたのが、合気道と同様、天の浮橋に立たなければならないことである。これで見ると、以前より絵に近づくことが出来たようだし、絵の全容も細部、そして作者の心の動きや息づかいが少し感じられるようになったような気がする。これからもどんどん展示会に行って、天の浮橋に立ち、この息・気づかいで作品を見てみたいと思っている。

      

Toko Shinoda Exhibition

I went to "Toko Shinoda Exhibition" today. The venue is the Tokyo Opera City Art Gallery in Hatsudai, near Shinjuku.

In this "Toko Shinoda Exhibition", the whole picture of Toko Shinoda's long-standing activities was introduced, and about 130 works and materials from the early years to the later years were exhibited.

I have seen Toko Shinoda's exhibition several times before. The lines and shapes with her brush are so wonderful that I can't think of it as a human skill.