佐々木合気道研究所 所長筆記

佐々木合気道研究所は合気道の研究成果の発表と著書の紹介を行っている個人の団体です(https://sasaki-aiki.com)。

sasaki-aiki2006-07-04

佐野美術館(静岡県三島市)(写真)で創立40周記念特別展である「虎徹清麻呂」日本刀展を見にいってきた。重要文化財や重要美術品を含む日本刀70点をじっくり見せてもらった。近藤勇が使った「虎徹」の刀工は長曾祢虎徹(ながそねこてつ)であり、江戸時代初期の人で、甲冑師から刀工に転じて、74歳まで刀を打っていた。虎徹とは対照的に、源清麻呂は江戸末期の人で、若い頃から天才的な技量を発揮し、四谷正宗と呼ばれるほどの名工となったが、若くしてその命を絶った。
どれも素晴らしい一品であったが、中でもひと際目立つ数点がある。説明を見ると「重要文化財」とか「重要美術品」と書かれている。どこがどう違うのか考えてみると、においや形も重要だろうが、いわゆる「魄力」の差(放出されるエネルギーの差)ということのように思えた。
両刀工とも、晩年になればなるほど完成度が高まると同時に、自由に作れるようになったようだ。さらに、当時の60歳や70歳になってからでもこのような刀を打ったのかと思うと、人間の可能性に大変感動させられた。