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長年、桃の食べ方を考えていたが、やっといい方法を見つけた。
子供の頃は、桃は皮を剥いたらあとは丸かじりだった。昔の桃は硬かったが、当時は歯も丈夫だったし、汁がボタボタ垂れても気にもしなかった。
丸かじりをしないとなれば、切って食べることになるが、これがなかなか思うようにきれいに切れない。どうしても種子の周りに果肉が残留し、切るとくずのようになって、食欲が半減する。
しかし、ついに「桃四枚下ろし法」を編み出したのである。まず桃の皮をむいたら、種子の左右を縦に垂直に切る。これで左右の円錐形の2片が切り落とされ、種子の周りに丸く果肉のついた円板形が残る。この丸い円板形からまんなかの種子を切り取る。3つの果肉片と種子の4片のできあがりである。ただし、これをお客に出したら、お客はびっくりするだろうから、自分用の桃むき法とする。