佐々木合気道研究所 所長筆記

佐々木合気道研究所は合気道の研究成果の発表と著書の紹介を行っている個人の団体です(https://sasaki-aiki.com)。

45年ぶりに一緒に稽古 Zusammentrainieren mit alter Kammarad vor

sasaki-aiki2008-09-27

2008.9.26

道場で45年ぶりに稽古を共にした女性に会ったので、一緒に稽古をする。丁度、道主の稽古時間だったが、1時間の稽古に昔を思い出しながら汗を流した。彼女のことは道主もご存知であった。
彼女は結婚して山梨に住んでいて、子供も大きくなり時間ができたし、娘さんが東京に住んでいることもあって、合気道の稽古を再開したいということだった。黒帯のはずだが、初心に帰って稽古をしようということなのか、白帯を締め、袴もはかずにいたので、本気で稽古を再開するのだなと思う。
長く本格的な稽古から離れていたから、技は多少忘れていたり、ちょっと息が上がりはするが、体は合気の体である。体に重みがあり、手には粘りがある。稽古を2,3ヶ月続ければもとにもどるだろう。さすが昔、鍛えただけのことはあると感じた。
彼女は開祖の晩年の稽古人で、開祖とは親しく、彼女の仲間共々ほとんど毎日稽古に来ていて、開祖の“親衛隊”のような存在だった。開祖が道場で、稽古人が間違ったことをやっているといって雷を落とし、ご機嫌ななめで自室に戻られたときなど、彼女たちが大先生(開祖を当時はそう呼んでいた)の部屋に行くと、ご機嫌が直ったものだ。大先生は男性には厳しかったが、女性にはやさしく、多少のご機嫌ななめも女性と話しているとケロッとしてしまったものだ。当時は稽古人はそれほど多くなかったし、女性も少なかったので、この“親衛隊”は貴重な存在だった。
一度、若手(当時)の稽古仲間の間で、大先生ご夫妻が主に住んでいらした岩間の道場で泊りがけの合宿をやるということになった。大先生から直接ご指導頂くのだから、彼女たち親衛隊がいた方が大先生もご機嫌だろうということで、頼んで一緒に行ってもらった。お陰で、大先生はご機嫌だったし、有意義な合宿ができた。(写真 前列右から2番目が彼女、2列目の左端が筆者)
半世紀近く前の話である。稽古を続けているとうれしい驚きがある。稽古は続けなければならない。

Zusammentrainieren mit alter Kammarad vor 45 Jahren