佐々木合気道研究所 所長筆記

佐々木合気道研究所は合気道の研究成果の発表と著書の紹介を行っている個人の団体です(https://sasaki-aiki.com)。

「明治のこころ」― モースが見た庶民のくらし展 Die Ausstellung de

sasaki-aiki2013-11-14

2013.11.12

江戸東京博物館で開催されているモース展を見に行った。
大森貝塚の発見者として知られるエドワース・モースは、3度にわたって日本を訪れたが、彼は日本の庶民の暮らしや心根に魅せられ、多彩な品々を「記録」としてアメリカに持ち帰った。収蔵した品々は5000点、その他にも詳細な明治庶民の暮らしのスケッチや写真を多数残している。
展示された品物は、この中の生活道具や陶器など320点とスケッチや写真である。
モース展を見てまず感じたことは、彼が感激したように、明治の人たち、とりわけ子供たちがいつもニコニコしていたことである(写真)。当時は今より貧しかっただろうが、今の人たちや子供達とは全然違っている。時代とともによくなるところもあるようだが、その反面、悪くなるところもある典型だろう。このニコニコした笑顔が再び戻ってくるようにしたいものだと思う。
もう一つの感想は、モースさんが明治の庶民のくらしの品々も収集してくれたおかげで、われわれ今の日本人が忘れたり、知らなかったりするすばらしい物や文化が人類の遺産として残ることになった、ということである。本来ならば日本人がやるべきことを、代わりにやってくれたのである。モースさんに感謝である。
さらに改めて気がついたこととしては、金持ちや上級武士が使っていたモノはもちろんのこと、明治の庶民が使っていた生活道具にも、用(機能)と共に美が追求されていることである。のこぎりなどの大工道具でも、鍋釜などの台所用具や着物・下駄などにしても、少しでも美しくしようとして作られていた。つまり、美しさがないモノには価値を置かない、ということだろう。
これは、われわれ現代人が見直す必要のあることであろう。合気道の技や動作も美しくなければならないし、日常の立ち振る舞いもそうである。頭がよくて、お金があればよい、ということではないのである。
今回は、明治の人たちの心をモースさんにたくさん教えてもらった。

Die Ausstellung der Sammlung und Photos von Morse “Soul of Meiji”
Im Museum von Tokyo wird die Ausstellung der Sammlung und Photos vom Amerikaner Mosre veranstaltet. Er hat vor etwa 150 Jahren dreimal Japan besucht, und das ganzen Land umgereist. Er fand alles interessant, die freundliche Leuten und die Kinder, die alltaegliche Waren und die Kleidung, und sammelte die groessen und die kleinen Waren und photografierten viele normalen Leuten – Bauern, Fischern, Stadtmenshen usw. Wir konnten die Gemuet der alten Japaner wiederfinden.