佐々木合気道研究所 所長筆記

佐々木合気道研究所は合気道の研究成果の発表と著書の紹介を行っている個人の団体です(https://sasaki-aiki.com)。

sasaki-aiki2018-06-24

2018.6.24
トゥールーズ合気道講習会
毎年、恒例になっている合気道講習会をフランスのトゥールーズ市でやってきた。6月9日(土)と10日(日)の二日間にわたって行われた。(写真)

今回の講習会のポイント:
?.基本のやるべきことをやる。出来ないからやらないのではなく、今、出来なくとも、いずれ出来るから挑戦しなければならない。
  そのために、やるべき事を示し、稽古をする。すぐには出来ないはずだが、それを後で稽古してもらえばいい。
?.基本が出来れば、その応用技もできるし、摩訶不思議な技になることを示す。合気道の技は摩訶不思議なものでなければならない。

やるべき事: これが出来なければ技にならない事“技の要素”
    ○手先と腰腹を結ぶ
    ○腰腹で手をつかう
    ○手は体の中心線上にあり、動く
    ○肩を貫く
    ○足は撞木足
    ○腰➡足➡手の順でつかう
    ○手、足、手と足の陰陽
    ○肩の陰陽(用と体)=面でつかう
    ○手、腰、膝、足の十字
    ○体は捻らない
    ○体は円くつかわないと動けない
    ○体を円くつかう
    ○息(イクムスビ)で体をつかう
    ○相手との一体化
    ○阿吽の呼吸
    ○支点を動かさず、対照をつかう
    等々

稽古内容は次の通りである:
6月9日(土) 午前
I.基本の稽古
1.準備運動

2.米の字当方:手先と腰腹と結び、腰腹でやる。折れない曲がらない手を手刀として使う。手先は体の中心線上を動く
3.転換運動(逆半身片手取り):体と心の転換、手先と腰腹を繋ぎ、切らない、手先を十字にかえす、反対側の肩を用につかい等の注意
4.陰陽・十字:
陰陽:手、足、肩を右左規則的に陰陽につかう
○ 正面打ち入身投げ (手、足、手・足)
○ 後ろ両手取り呼吸法 (手と足を陰陽につかわないと出来ない)
○ 胸取り面打ち (同上。体を捻るとできない)
○ 正面打ち一教 (七歩の規則正しい陰陽でやる)
○ 正面打ち小手返し( 同上 )

十字:手と腰を十字々々にかえす
○ 諸手取呼吸法
○ 片手取り四方投げ
○ 正面打ち入身投げ
○ 交差取り二教
● 片手取りの手先だけを十字にかえす

5.呼吸力の養成:呼吸力が弱ければ技は掛かり難いから、呼吸力は最後まで養成していかなければならない
○ 片手取り呼吸法
○ 諸手取り呼吸法 
○ 二人掛け呼吸法 (諸手+諸手、諸手+片手首絞め)
○ 坐技呼吸法

6月9日(土) 午後
?.テーマ:息で体をつかい、技を掛ける
受けも、取りと同じ息づかいをしなければならない

1.準備運動と柔軟体操:イクムスビの息づかいでやる
2.息づかいの稽古と肩を貫く鍛錬:
  ○正面打ち(イクムスビと十字の息づかいで)
  ○横面打ち(  同上  )
3.イクムスビで技をつかう
○片手取り呼吸法
○天地投げ
○半身半立ち四方投げ(座したまま)
○二教裏
4.受けもイクムスビで
   ○四方投げ
   ○二教
   ○座技呼吸法
   ○前受身 
5.相手との一体化
   ○息イクムスビのイーで相手の手をくっつける
   ○後ろ両手取(相手とくっつく最適な稽古法):息で、手の支点を動かさず、その対照(腹、腰)を動かす。腹、そして腰、背中に気を流すから、相手のお腹が背中にくっつくことになる ➡
6.後ろ両手取
   ○呼吸法
   ○四方投げ
   ○小手返し
7.自由稽古
8.坐技呼吸法
   ○横から掴まれる(通常)
   ○相手の手首を掴んで投げる(四教決めで)
6月10日(日) 午前
? 応用技と摩訶不思議:基本が出来れば、応用技、摩訶不思議の技がつかえるようになる
1.準備運動と柔軟体操:イクムスビと十字の息づかいでやる
2.舟漕ぎ運動
3.単独動作:この中に相手を入れてしまえばいい
○一教
入身投げ(表、裏)
四方投げ ➡
演武
4.片手取り四方投げ10本

5. 摩訶不思議な技が生まれる
勝速日
説明演武
●太刀さばき 太刀対太刀 勝速日(時間も空間を超越)●太刀さばき 太刀対素手 
 ○正面打ちでさばき(前と後ろ)、横面を打つ
説明演武
●短刀さばきで入身投げ
 ○突き短刀さばき入身投げ
    指一本でもできる
説明演武
●指一本で相手をくっつけてしまう 
●指一本で呼吸投げ
● 阿吽の呼吸:受けを浮かす
説明演武
●正面打ち入身投げ
●天地投げ
●片手取り呼吸法
●片手取り二教
●坐技呼吸法
6 自由稽古
○各自が研究している事、したいこと(技、動き)を自由にやってもらう
○解らないことや質問があれば、まわっていって一人ひとりに対応する 
○共通の問題があれば、それを説明・演武して、皆でやってみる