佐々木合気道研究所 所長筆記

佐々木合気道研究所は合気道の研究成果の発表と著書の紹介を行っている個人の団体です(https://sasaki-aiki.com)。

「邯鄲」(かんたん) Noh-Spiel

sasaki-aiki2007-07-29

半年ぶりにお能を見に行った。会場2時、開演2時半なので、いつも通り10時半からの稽古をし、いつもの店で昼食をとったが、アルコールはビールジョッキ一杯で我慢した。普通はビールのジョッキ1−2杯に、紹興酒デカンタを二人で飲むのだが、これは我慢した。店の女主人がお能を見て眠らないようにとアイスコーヒーをサービスしてくれた。
合気道の稽古仲間、女房の中国武道仲間と気の研究会の方などの合計8人で、正面桟敷の最前列に座る。
能の前に、仕舞が4番(鶴亀、菊慈童、天鼓、猩猩)と狂言(鐘の音)があり、15分の休憩のあと能「邯鄲」が上演される。
今回はあらかじめ演目の原文と体語訳が載っている解説書を購入しておいたので、よく分かった。今後は毎回、用意しておこうと思う。
能の筋は、「青年盧生(ろせい)は、人生の意味を求めて、はるばる求道の旅に出た。まだ日も高いうちに邯鄲の里へと到着する。宿屋の女主人から、その枕で夢を見ると、人生の悟りを得るという、有名な邯鄲の枕を借りて、昼寝をする。
そこへ勅使が現れ、盧生は楚の国の帝位に即くことになる。宮殿はまばゆいばかり豪華で、盧生はそのまま在位50年に及び、栄耀栄華を極める。
目が覚めると、そこは元の宿屋の一室で、女主人が粟飯が炊けたと起こしに来た。50年の栄華は一睡(一炊)の夢であったことを知り、人生の意味を悟った盧生は、邯鄲の枕に感謝して、そのまま故郷に帰って行った。」
この話から有名な「邯鄲の夢」という言葉ができたが、この能を観て頭に浮かぶのは、豊臣秀吉の辞世の句「露と落ち 露と消えにし 我が身かな 浪速のことは 夢のまた夢」である。私も60歳半ばを過ぎたが、60数年はあっという間の出来事であったように思える。秀吉の辞世の句を昔は理解できなかったが、今はよくわかる。いい夢で終われるよう頑張りたいものである。

Noh-Spiel
Einmal jades Jahres besuche ich das japanischen traditisonaeren Noh-Theater mit meiner Frau und Freuenden. Das Spiel laeuft so; Ein Junge geht in einem Herberg auf der Reise, und macht ein Nickerchen bis das Abendmahl zubereitet wird. Im Traum wird er der Kaiser des Landes und regiert 50 Jahren das Land. Dann wird er geweckt, denn das Mahl ist zubereitet. Er wird wach, und merkt, das so ein traumhaftes Leben auch nur eine Weile dauert.