佐々木合気道研究所 所長筆記

佐々木合気道研究所は合気道の研究成果の発表と著書の紹介を行っている個人の団体です(https://sasaki-aiki.com)。

sasaki-aiki2006-07-16

今日は東京下町を探訪するつもりで出かけた。いつものように行き当たりばったりの散策だ。家を出たのは午前10時頃だったが、とり合えず千代田線で根津駅まで行って、根津神社をお参りした。根津神社は国定文化財建造物で、根津権現とも称されている。権現造りの社殿は桃山時代から続いた様式とか。つつじが沢山植えてあったが(3500本以上あるという)、残念ながら時期が遅く花は見られなかった。その界隈を裏道を歩きながら見て歩いたが、古い日本の家屋はほんの少ししか残っていない。
歩いている内に、三階建ての古い木造建築で、「はん亭」という串かつ店が目に入った(写真)。昼食をしようと表にある価格表を見ると定食が3,500円とある。次回に期待して、今回は諦める。言問通り鶯谷に向かい、下町風俗資料館(付設展示場)を見る。江戸商家の建築様式で明治から昭和61年まで商住生活が営まれていたとのこと。ここで「上野周辺散歩マップ」を500円で購入。近くに大名時計博物館がある。だいぶ以前に一度行ったことがあるが、今回ものぞいてみようとしたら、6月から9月まで休館という張り紙がしてあった。小さな喫茶店があったので、少し疲れたし一休みすることに決める。ガラス戸を通して中を覗くと着物姿の中年女性が飲み物を出しているので、下町らしい情緒だと思い、コーヒーを注文した。コーヒーの味もよく、値段も350円と、都心では考えられない。見回すと中年男性のひとり客が多く、どうやら「下町のマドンナ」の店であるようだった。
不忍通りを上野に向かって下り、不忍池のそばにある「下町風俗資料館」を目指したが、手前に上野動物園の入り口があったので、近道をしようと入場券を購入(600円)して入園した。考えてみると、上野動物園は初めてである。せっかく入ったので、とりあえず一巡してみる。象やシマウマや蟻クイなどよく観察した結果、今の日本人の膝下歩行は断然間違いで、危険であると確信する。その後、象の足首ケリ歩きを真似ながら歩いてみる。これをやると膝に負担がかからず、股関節で歩けるだけではなく、足の指が開いて地面に吸い付くようになるのを発見。
昼も大分過ぎたので、どこで何を食べるか考えていると、「精養軒」という看板が見えた。上野の精養軒という名前はよく聞いているが、そのわりにまだ一度も入ったことがない。玄関にドアマンがいて仰々しい雰囲気だが、10名以上も待っている様子である。予約がなくても食べられるのかドアマンに確認し、食べて出てくる人達も多いようなので待つことにする。すぐに席に案内されたので、まず生ビールを頼み、ランチコースと赤のハウスワインも注文した。牛のステーキが柔らかかったのでどこのものか聞いたらオーストラリアのものだとのことだった。ハウスワインも旨かった。食事が終わっていい気持ちで外にでると、そばに寛永寺があるので久々に訪れた。以前、中まで拝観したので今回は外から拝むだけにする。
右手の階段を下り、不忍池に出て歩いていくと、目的地である「下町風俗資料館」の前に出た。4時まで入館できるということだが、4時10分前で入館できた。4時30分で閉館だが、あまり広くないので十分見ることができた。昔の江戸の生活ぶりがよく分かり、何人もいるガイドさんも年配の江戸っ子で、博物館の雰囲気にはにぴったりである。4時過ぎだったが、仙台から来た女性客が是非入館したいのだがというと、ガイドさんは「仕方ねえやな」といいつつ無料で入館させてあげていた。秋葉原を通過して神田に出て書店を覗き、飯田橋からJBで新宿に行き、さらに書店3軒を見て、帰宅したのは6時半であった。一日歩いただけでもいろいろな見聞があるものだが、それにしても我ながらよく歩いた、というのが今日の感想である。