佐々木合気道研究所 所長筆記

佐々木合気道研究所は合気道の研究成果の発表と著書の紹介を行っている個人の団体です(https://sasaki-aiki.com)。

美術館と温泉 Besuch des Museum of Art in Hakone

sasaki-aiki2014-03-13

2014.3.11

テレビを見ていたら箱根美術館の紹介があり、そこには縄文土器や埴輪をはじめ、縄文時代から江戸時代までの陶磁器が常設展示されているということであった。場所は湯の里、箱根であるから、美術鑑賞と温泉を楽しむことにした。
新宿から小田急線で小田原まで行く途中で、前を走っている電車で人身事故があり、伊勢原駅で電車を降ろされた。1時間後には復旧するというので、一度、改札を出て市内を探訪することにした。
こんなことでもなければ町を見ることはないだろうし、これからも来ることはないだろうと思い、駅のまわりを歩いてみた。だが、どうやらここは住民のための町らしく、見るような所もないので、早々に見物を切り上げて駅にあるレストランに入り、タラコ・スパゲッティと野菜クリームスープで昼食にした。

旅では、急がず、のんびりを心がけている。時間的、そして、精神的のんびりである。
1時間後に復旧した電車で小田原に着いて、そこから箱根湯本まで単線の電車で行く。週日にもかかわらず、満員である。箱根湯本からは強羅までは、昭和25年製のレトロな登山電車でのんびりといく。その上、3回もスイッチバックするので、充分のんびりを味わえた。

強羅駅に着いて、次はケーブルカーへ乗り換えるが、このケーブルカーもさらにのんびり動く。帰りは歩いたが、並行してケーブルカーよりも早かった。住人は重い荷物を持っている時など特別のことがなければ、このケーブルカーには乗らないのではないだろか。

二駅目の公園上で下車すると、目の前が箱根美術館だった。4日前に降った雪がまだ残っていた。入場券を買って入館する。受付と展示室の監視役は和服姿の婦人で、軽く挨拶して展示場を回った。展示場(写真)は3つの階に計5室あり、テーマごとにわかれて展示されている。今回、美術鑑賞の目的は「心でみる」であるので、特に縄文火炎形土器、埴輪、桃山時代の陶器などを興味深く鑑賞した。

縄文火炎形土器は縄文時代につくられたわけだが、どのような人たちが、どんな思いで作ったのか、じっと見ているといろいろなイメージが湧いてくる。どう考えても竪穴住居で半裸の生活をしていたような人がつくったとは見えない。
隣には埴輪が3体展示されていたが、その内の一つ「天冠をつけた男子」には長い間見入ってしまった。見ていると彼の端正な顔立ちがみえてくるし、それが悲しい顔立ちに変わって、何かを訴えているようにもみえる。今までは見えなかったものが、観えてきたようだ。能の面(おもて)やお日様をみる目、「観の目」でみるのである。目ではなく、心で対象物の心を観るのである。
後で美術館のパンフレットを読むと、古墳時代の「天冠をつけた男子」は重要文化財であると書かれていた。やはり、味わい深いものだったのだ。

また、印象的だった物として、室町時代桃山時代の力強く重厚な「中世のやきもの」があった。肉に厚みがあり、どっしりとして重厚であるが、繊細な線や模様もあり、サムライが好んだ芸術だったとわかる。当時の武将の心想像できるようだった。

美術館は、大きい庭園の中にあった。設立した岡田茂吉の居宅(別荘)、茶室、観山亭・富士見亭などの別棟や、竹庭・苔庭などの庭や、石楽園という石の庭があり、さらに岩の間を流れる渓流などもあり、これまで見たこともないような素晴らしい庭園であった。
また、この庭園は四季を通じて、雪や桜・紅葉などを楽しめるようにつくられている。
せっかくの素晴らしい庭園だったので、神和亭という茶室に入ってみた。そこで、和菓子で抹茶を一服頂きながら、庭園を鑑賞した。電車は満員だったが、ここは数人の訪問者しかいなくて落ち着いた。

設立者の岡田茂吉(1882-1955)は、「美術品は決して独占すべきものではなく、一人でも多くの人に見せ、たのしませ、人間の品性を向上させる事こそ、文化の発展に大いに寄与すること」という信念のもとに、美術品を集めて、美術館をつくったそうである。これも素晴らしいことである。

さて、次は温泉である。係の人に聞くと、近所に太陽山荘という旅館があり、そこのお湯が近所でもよいということであった。徒歩5分ほどで着き、タオル付きで1時間1,000円也。温泉は屋内だけで、それほど広くはないが、一人で独占できた。源泉かけ流しの湯加減もちょうどよく、肌もつるつるになり、満足々々。
帰りは人身事故もなく、無事に帰宅した。

Besuch des Museum of Art in Hakone
Da das Museum of Art in Hakone im TV vorgestellt wurde, hatte ich mir entschlossen, dort zu besuchen. Ich habe grosse Interesse an den alten schoenen Sachen, dazu ist Hakone der bekannten Heissquelle Ort in der Naehe von Tokyo. Zum Ueberraschung war das Museum in grossen Flaeche mit den versciedenen Gaerten, Teezeremonie-Haus usw. errichtet. Besonders ein Statue von 6. Jahrhundert hat mir sehr starken Eindruck gegeben.